まず日本の歴史を学ぶ時に、最も古い時代として登場するのが「旧石器時代」です。この時代の特徴としては、石器(打製石)を用いて大型動物の狩猟をしていたことが挙げられます。日本にも旧石器時代があったということは、1946年に日本の考古学者である、相沢忠洋が群馬県の新田郡笠懸村の関東ローム層から黒曜石で作られた打製石器を発見したことで、証明されました。
日本列島の旧石器時代を知ろう!
さあいよいよ日本史の始まる時代、「旧石器時代」について、まずはしっかりと理解していきましょう。日本の始まり、日本列島の始まりと言ってもいいでしょう。この時代にはどんな特徴があるのか、人々はどんな暮らしをしていたのかなど、今からずっとずっと昔の時代「旧石器時代」について以下の流れで見ていきましょう!
日本列島の旧石器時代を知ろう!
日本列島の旧石器時代を知ろう!
- 旧石器時代の大まかな流れ
- 旧石器時代の特徴
- 旧石器時代の環境
- 旧石器時代の人々の暮らし
それでは早速、「旧石器時代」を学んでいきましょう!
旧石器時代の大まかな流れ!
旧石器時代の流れを簡単な年表に表してみましたが、あまり詳細な内容は書いていません。時代の単位が数万年という単位なので、細かく書くことが出来なこともあります。出来事を大まかにまとめますと、今の日本列島の形が出来た、そして日本列島に人が住み始めたというのが旧石器時代です。
まさに、今の日本の始まりと言えますね。
もちろんまだまだ分かっていないことも多いし、これからいろいろと発見されてもっと細かいことが分かってくるかもしれませんね。
旧石器時代の特徴!
旧石器時代の特徴はその時代の名前の通り「石器」を使っていたということでしょう。石器といっても打製石器で、ただ石を打ち砕いて作ったものです。石器を使い始めた頃は、ただ石で石を砕いて使っていたのですが、徐々に形を形成したりするようになっていきました。
中にはナイフのようにとがった形状をしたものや、槍の先端のような形をしたものもあります。石を打ち砕いて作った石器に、形状を整えて、切ったり、刺したりということが出来るようにしていたのでしょう。
旧石器時代の環境!
旧石器時代の環境について、少し見てみましょう。環境は、当然今とは全然違います。今のように快適な生活が出来る環境ではなかったということは確実に言えるでしょう。
現代よりも寒い氷河時代で、今よりも、7~8度気温が低かったといわれています。この寒さの影響で、氷河が出来て地球全体の海水面が低くなっていたと考えられます。現在よりも100メートル以上も水位が低かったと考えられているのです。
こうなると、日本列島の周辺では今よりも広く陸地になっており、今では海があって舟でしか行けない場所が、この時は陸続きになっていたということもあります。
こういう環境の中で、火山活動が活発な時期でもありました。富士山や浅間山などが噴火し、関東ローム層と言われる火山灰層を堆積しました。
氷河期でありながら火山の噴火が起きる、今では考えられない想像できないような厳しい環境の中で生活していたのです。
旧石器時代の人々の暮らし!
次は旧石器時代の人々の暮らしについてみていきましょう!今とは全く違う環境の中、そこで生きていた人々、我々の先祖の人たちは一体どんな暮らしをして、生き抜いていたのでしょうか。今では想像もできないようなその生活の様子を見ていきましょう!
住居!
旧石器時代の人たちは一体どんな住まいで暮らしていたのでしょう。今の時代は周りを見渡せば一軒家やアパート、高層マンションなど、人間が住むための色々な住居があります。しかし、旧石器時代では、もちろんそんな建物はありません。しかも、今よりももっと厳しい環境での生活です。
その当時の人たちは、まずは食べ物を得るために、石器を使って動物を獲って暮らしていました。動物を獲るためには、餌を求めて移動する動物に合わせて動物の群れを追って移動しながら暮らす必要があったのです。現代のように家を建てて、そこに定住するという住み方ではなかったのです。
旧石器時代の住居は今でいう「キャンプ」のような住居だったのです。数ヶ月で住む場所を移動しながら生活していたのです。すぐに壊して持ち運ぶことが出来るようなテントを作って、その中に住んでいたのです。テントと言っても今のように便利な素材のものではなく、木材で骨組みを作って、その上に動物の毛皮などを重ねて、テントのようなものを作っていたのです。
食べ物!
旧石器時代の人たちは、石器を使って槍を作ったり、落とし穴を作って動物を狩り、その動物を食べていました。主にシカやゾウ、ノウサギなどを獲っていました。肉以外では、土地によっての違いはありますが、木の実なども食べていたようです。
旧石器時代では、土器がなかったので煮炊きが出来ませんでした。それでは一体どうやって食べていたのか。熱くなった石の上に、草や葉で包んだお肉を置いてから蒸し焼きにして食べていたのではないかと言われています。
服装!
今よりも気温が低い気候であった旧石器時代。同時の人々の服装は一体どんなものだったのでしょう。
原始時代の人たちが来ている服を表現するとき、肌の露出が多い状態で描かれることがよくあります。しかし、今よりも寒い時代に、本当にそんな服装で寒さを凌げたのでしょうか。実は旧石器時代の服装は見つかっていないのです。
しかし、シベリアで見つかった、マンモスの牙で作った像には、コートのような服を身に付けたような女性が彫られています。それを参考にして考えると、動物の毛皮を重ねて、コートのようなものを作って身に付けていたのではないかと考えられます。
寒さを凌ぐために、意外と温かくなるような毛皮を重ねて来ていたのかもしれません。
石器時代とは?
ここまで旧石器時代についてまとめてきました。旧石器時代というくらいだから新石器時代もあの?と思っている人もいるでしょう。そう思っている人の疑問に答えましょう。
実は世界的にみると、石器時代というものがあり、その石器時代が旧石器、続旧石器、新石器の3つの時代に分けられています。そして旧石器時代でも前期、中期、後期と3つに分けられているのです。旧石器時代では先ほども書きましたが、主に狩猟や採集が中心の生活でした。
そして新石器時代では、農耕や家畜の飼育などが発達し、生活も確立されていったとされています。
ここまで旧石器時代についてまとめてきました。皆さんどうでしたか?今の生活では考えられない、想像できないような環境の下で強く生きていたことが分かっていただけたでしょう。この時代を経て今の日本があるのだとじっくり感じてみてください。